食品添加剂
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50种食品添加剂食品添加剂是指为了改善食品的质地、色泽、香味、保鲜等特点而添加到食品中的物质。
这些添加剂通常是经过科学研究和严格检测的,具有一定的安全性。
今天,我们将介绍50种常见的食品添加剂及其用途。
第一类:色素类食品添加剂1. 甲基红:常用于果酱、糖果等食品,赋予红色。
2. 胭脂红:常用于饮料、肉制品等食品,赋予鲜艳的红色。
3. 日落黄:常用于清凉饮料、糕点等食品,赋予金黄色。
4. 洋红:常用于饮料、糕点等食品,赋予紫红色。
5. 孔雀蓝:常用于口香糖、冷饮等食品,赋予蓝绿色。
第二类:增味剂类食品添加剂6. 酸味剂:如柠檬酸、苹果酸,用于调节酸味。
7. 甜味剂:如蔗糖、葡萄糖,用于增加甜味。
8. 麦芽糊精:常用于奶粉、巧克力等食品,增加香甜味道。
9. 酵母提取物:常用于面包、酱料等食品,增加鲜味。
第三类:防腐剂类食品添加剂10. 亚硝酸盐:常用于腌制食品、火腿等,具有抑菌作用。
11. 苯甲酸:常用于果脯、糖果等食品,具有防腐作用。
12. 乙酸钠:常用于饮料、豆制品等食品,具有抗菌效果。
第四类:增稠剂类食品添加剂13. 明胶:常用于果冻、炖品等食品,提高质地稠度。
14. 卡拉胶:常用于冷冻食品、糖果等,增加黏性。
第五类:稳定剂类食品添加剂15. 亚油酸盐:常用于酱料、沙拉等食品,防止油脂溢出。
16. 多聚磷酸钠:常用于肉制品、罐头等食品,保持食品稳定。
第六类:酸度调节剂类食品添加剂17. 乳酸:常用于饮料、乳制品等食品,调节酸碱度。
18. 苹果酸:常用于糕点、果酱等食品,调节酸度。
第七类:抗氧化剂类食品添加剂19. 大豆异黄酮:常用于油脂、食品添加剂等,保持食品新鲜。
20. 维生素C:常用于果汁、保健食品等,延长食品寿命。
第八类:硝化剂类食品添加剂21. 硝酸钠:用于腌制食品、火腿等,改善食品风味。
第九类:膨松剂类食品添加剂22. 无水葡萄糖酸钠:常用于面包、蛋糕等食品,增加体积松软度。
第十类:增酸剂类食品添加剂23. 柠檬酸:常用于饮料、果汁等食品,增加酸味。
常见食品添加剂
1.防腐剂:抑制微生物生长繁殖,延长食物保质期
常用物质:
苯甲酸、苯甲酸钠、山梨酸、山梨酸钾、二氧化硫、乳酸等
常用的食品:
碳酸饮料、果酱、蜜饯、酱菜、酱油、食醋、果汁饮料等食品
2.着色剂:为食品着色
常用物质:
苋菜红、胭脂红、赤藓红、新红、柠檬黄、日落黄等,天然色素:甜菜红、紫胶红、越桔红、辣椒红、红米红等
常用的食品:
碳酸饮料、果汁饮料类、糕点上的彩装、糖果、山楂制品、腌制小菜、冰淇淋、果冻、巧克力、奶油、速溶咖啡等各类食品等
3.甜味剂:赋予食品或饲料以甜味
常用物质:
糖精、环己基氨基磺酸钠(甜蜜素)、麦芽糖醇、山梨糖醇、木糖醇等常用的食品:
饮料、酱菜、糕点、饼干、面包、雪糕、蜜饯、糖果、调味料、肉类罐头等
4.营养强化剂:增强和补充食品的某些营养成分如矿物质和微量元素常用的物质:
维生素、矿物质、氨基酸
常用的食品:
婴幼儿配方奶粉
5.香料:增加香味,使其具有独特的风味
常用物质:
糖香精油、香精、粉体香料浸膏
常用的食品:
糖果与巧克力
6.膨松剂:使制品具有膨松、柔软或酥脆
常用物质:
碳酸氢钠、碳酸氢铵、复合膨松剂等
常用的食品:
饼类糕点、蛋糕、饼干
7..酸味剂:赋予食品酸味,一般具有防腐效用,又有助于溶解纤维素及钙、磷等物质,帮助消化,增加营养
常用物质:
柠檬酸、酒石酸、乳酸、苹果酸。
常用的食品:
一部分糖果与巧克力制品,尤其是水果型的制品
8.抗氧化剂:保护食物免受氧化损伤而变质
常见的物质:
维生素A、C、E;类胡萝卜素;微量元素:硒、锌、铜和锰等。
常用的食品:
干果类食品。
名词解释:天然食品添加剂:从动植物或者微生物的代谢产物中提取的食品添加剂叫做天然食品添加剂。
化学合成食品添加剂:通过化学方法,在一定条件下使元素单质或者化合物之间发生氧化、还原、缩合、聚合和成盐等反应制得的食品添加剂叫做化学合成食品添加剂食品添加剂:人们为了改善食品质量和保持或提高营养价值,在食品加工或贮藏过程中添加的少量天然或合成的物质。
LD50:是指能使一群试验动物中毒死亡一半的投药剂量。
级别(大白鼠LD50单位mg/kg):极毒<1,1<剧毒<50,51<中等毒<500,501<低毒<5000,5001<相对无毒<15000,无毒>15000。
ADI:人类每日摄入某物质直至终生而不产生可检测到的、对健康产生危害的剂量,单位为mg/kg体重·d。
计算公式:ADI=MNL*1/100=500*1/100,MNL=500,此安全系数=100。
RDA:推荐膳食营养供给量,指为了保证饮食健康,指导食品的营养强化,各国政府或营养学权威组织根据营养科学的发展,结合本国实际情况,向不同人群提出一日膳食中应含有的热能和各种最易缺乏的营养素种类、数量。
RNI:推荐摄入量,RNA相当于传统使用的RDA,是可以满足某一特定性别、年龄及生理状况群体中绝大多数(97%-98%)个体需要量的摄入水平。
乳化剂:能改善(减小)乳化体中各构成相之间的表面张力,形成均匀分散体的物质,是一类具有亲水基和疏水基的表面活性剂。
增稠剂:又叫增黏剂、胶凝剂等,是一类能提高食品黏度或形成凝胶的食品添加剂。
增稠剂都属亲水性高分子化合物也属大分子聚合物,可水化而形成高黏度的均相液,故亦称水溶胶。
亲水胶体或食用胶。
食品防腐剂:一类以保护食品原有性质和营养价值为目的的视频添加剂。
食品抗氧化剂:指能防止或延缓食品氧化,提高食品的稳定性和延长贮存期的食品添加剂食用香料:指能够增强食品想起和香味的食品添加剂,是食品添加剂中品种最多的一类,多种香料调和使用。
生活中常见的食品添加剂常见的食品添加剂包括:一、防腐剂:用于延长食品保质期。
1.苯甲酸:也叫做食品乙酸钠,可以抑制微生物和酵母菌的生长,被广泛应用于果汁、糖果、蛋糕和罐头等各类食品中。
2.山梨酸:是一种天然产物,也常用于食品防腐中,特别是在面包、奶酪、沙拉酱、调味料和肉类加工品等食品中。
3.丙二酸二钠:简称双乙酸钠,是一种常用的食品防腐剂。
它主要用于肉类、奶制品、糖果、罐头和饮料等食品生产中,作为一种pH调节剂和防腐剂。
4.溴酸钾:常用于处理海产品,如龙虾、蟹类、虾和鱼等,也适用于水果和蔬菜。
5.亚硝酸盐:它可以抑制微生物的生长,主要应用于肉制品、鱼类加工品和罐头等食品中。
二、抗氧化剂:可延缓食品氧化变质。
1. 维生素C:也叫抗坏血酸,是一种水溶性维生素,具有很强的还原能力和抗氧化作用,在果汁、蔬菜制品、饼干等食品中广泛使用。
2. 维生素E:也称为生育酚,就像维生素C一样,是一种天然的抗氧化剂。
在油脂含量较高的食品中经常使用,如坚果、油炸食品和动物脂肪等。
3. 茶多酚:属于天然的多酚类化合物,存在于茶叶和一些水果中,具有很强的抗氧化作用。
4. 硫代双胍:是一种对空气中的氧气有极强的还原作用,可以延缓食品氧化变质。
在麦片、罐头、饼干、肉制品等食品中应用广泛。
5. 花青素:也称为花色素,是一种天然的颜料,在葡萄酒、蔬菜、水果和豆腐等食品中广泛存在,并以其很强的抗氧化作用而著名。
三、酸味剂:可使食品呈现酸性。
1. 柠檬酸:是一种天然存在于柠檬、石榴、草莓和柑橘等水果中的有机酸,常用于饮料、果酱、罐头、沙拉酱、糖果和蛋糕等食品的调味中。
2. 苹果酸:也是一种天然存在于苹果、圆桌等水果中的有机酸。
它通常用于腌制、调味、制作饮料和水果汁等。
3. 葡萄糖酸:是一种无色透明的固体,具有很强的酸味和抗菌作用,广泛用于罐头、饮料、果冻、糖果和口香糖等食品制造中。
4. 醋酸:是一种在食品工业中广泛使用的有机酸,常用于腌制、调味、制作饮料和酱汁等食品。
1、食品添加剂:是指为改善食品品质和色、香、味,以及为防腐和加工工艺的需要而加入食品中的化学合成或天然成分。
营养强化剂、食品用香料、胶基糖果中基础剂物质、食品工业用加工助剂也包括在内。
食品添加剂一般都不能单独作为食品来食用,其添加量有严格的限制。
且其用量,一般不超过2%。
2、酸度调节剂(01)抗结剂(02)消泡剂(03)抗氧剂(04)漂白剂(05)膨松剂(06)胶奶糖基础剂(07)着色剂(08)护色剂(09)乳化剂(10)酶制剂(11)增味剂(12)面粉处理剂(13)被膜剂(14)水分保持剂(15)营养强化剂(16)防腐剂(17)稳定和凝固剂(18)甜味剂(19)增稠剂(20)香料(21)食品加工助剂(22)其他(00)3、食品添加剂的作用及与食品工业的关系(一)改善食品及其原料的感官性状增进色、香、味,改变质地──花色品种急剧增加。
(二)有利于食品的保藏,防止食品腐败、变质;防腐剂、抗氧化剂等,解决了加工与消费之间的时空差所带来的污染、变质的问题和资源的地域性问题。
(三)保持或提高食品的营养价值;(四)提高运输、携带和摄食的方便性;(五)有利于食品的加工处理,适应生产的机械化和自动化;(六)满足其他特殊需要4、食品添加剂应符合的基本要求(原则)1.食品添加剂本身应该经过充分的毒理学鉴定程序,证明在使用限量范围内对人体无害,并应在较低的使用量的条件下有显著效果。
2.食品添加剂在达到一定的工艺功效后,若能在以后的加工、烹调过程中消失或破坏,避免摄入人体,则更为安全。
3.食品添加剂在进入人体后,最好能参加人体正常的物质代谢;或能被正常解毒过程解毒后全部排出体外;或因不被消化道所吸收而全部排出体外;不能在人体内分解或与食品作用形成对人体有害的物质。
4.食品添加剂对食品的营养成分不应有破坏作用,也不应影响食品的质量及风味。
5.不应掩盖食品本身或加工过程中的质量缺陷或以掺杂、掺假、伪造为目的而使用食品添加剂,即违反食品添加剂允许的作用范围的均为违法。
防腐剂:苯甲酸及其盐类、山梨酸及其盐类、丙酸盐、对羟基苯甲酸类、二氧化硫、焦亚硫酸钠、焦亚硫酸钾、脱氢醋酸及其钠盐、富马酸天然防腐剂:乳酸链球菌素、纳他霉素、壳聚糖、溶菌酶、香辛料提取物油溶性抗氧化剂:丁基羟基茴香醚、二丁基羟基甲苯、没食子酸丙酯、特丁基对苯二酚、抗坏血酸棕榈酸脂水溶性抗氧化剂:抗坏血酸及其盐类、天然抗氧化剂:生育酚(维生素E)、植酸、茶多酚等合成着色剂:苋菜红、胭脂红、赤藓红、新红、柠檬黄、日落黄、亮蓝、靛蓝、诱惑红及其铝色沉淀、二氧化钛天然着色剂:萝卜红、葡萄皮红、红米红、玫瑰茄红、越橘红、黑豆红、红花黄、可可壳色、玉米黄、栀子黄、辣椒红、姜黄、红曲米和红曲红、叶绿素铜钠、甜菜红、天然苋菜红、焦糖色、藻蓝、柑橘黄护色剂:亚硝酸钠、亚硝酸钾、硝酸钠、硝酸钾漂白剂:二氧化硫、亚硫酸钠、焦亚硫酸钠、过氧化丙铜、过氧化氢、二氧化氯、过氧化苯甲酰、二氧化氮、亚硝酰氯酸度调节剂:柠檬酸、磷酸、乳酸、苹果酸、酒石酸天然甜味剂:木糖醇、山梨糖醇、麦芽糖醇、甜菊糖苷、甘草素、三氯蔗糖、阿斯巴甜(天冬氨酸苯丙氨酸甲脂)葡萄糖、果糖、麦芽糖和乳糖是食品原料合成甜味剂:糖精钠、甜蜜素、乙酰磺胺酸钾(安赛蜜)增味剂:味精、5’-肌苷酸钠、5’-鸟苷酸钠、动物(植物)蛋白质水解、酵母抽提物天然增稠剂:食用明胶、酪蛋白酸钠、阿拉伯胶、田菁胶、琼脂、海藻酸钠、卡拉胶、果胶、黄原胶、瓜尔豆胶化学增稠剂:羧甲基纤维素钠(CMC-Na)、羧甲基淀粉钠、淀粉磷酸酯钠、羟丙基淀粉乳化剂:单、双、三甘油脂肪酸酯(油酸、亚油酸、柠檬酸、亚麻酸、棕榈酸、硬脂酸)、蔗糖脂肪酸酯(脂肪酸蔗糖酯)天然香料:甜橙油、橘子油、柠檬油、留兰香油、薄荷素油、薄荷脑、桉叶油、桂花浸膏合成香料:香兰素、苯甲醛、乙基香兰素、柠檬醛、丙酸乙酯、肉桂醇凝固剂:氯化钙、硫酸钙、氯化镁、葡萄糖酸-§-内酯膨松剂:碳酸氢钠、碳酸氢铵、钾明矾、磷酸盐、酒石酸氢钾抗结剂:二氧化硅、硅铝酸钠、硅酸钙、亚铁氰化钾水分保持剂:磷酸三钠、六偏磷酸钠、三聚磷酸钠、焦磷酸钠、磷酸二氢钠维生素类强化剂:维生素A、维生素B1、维生素B2、维生素D。
50种食品标签及其食品添加剂的归类总结课程名称:食品添加剂指导老师:杨锋老师班级: 食品112*名:***学号:************以上是搜集的50种食品,列出其名称、配料表以及其所含添加剂,并对所含添加剂作功能性归类。
通过这一次作业,了解到关于添加剂的一些知识。
其实一开始由于自己理解偏了,认为老师需要我们所做的归类是对所搜集的食品进行分类,因此还查有一些食品分类的资料。
例如,面条、小麦粉之类的就属于粮食加工品,味精、鸡精属于调味品,还有其他的一些蜂制品、蛋制品、可可及焙炒咖啡制品、乳制品、糖果制品等等。
在上面的表格中,我对搜集的50种食品的添加剂作了分类,是根据它的添加剂的功能分类的。
生活中经常可以看到或者用到一些添加剂,名字非常的熟悉,甚至可以随便叫出一些,但是对于他的功能性类属却不是那么了解。
就比如山梨酸钾,柠檬黄,阿斯巴甜等等。
生活中的食品很多都离不开防腐剂、酸味剂、甜味剂等。
经过以上表格中添加剂的比对,了解到,常用的增稠剂有阿拉伯胶、卡拉胶、明胶、果胶,增稠剂一般用于酸奶等风味乳制品。
常用的防腐剂有山梨酸钾、乳酸链球菌素、苯甲酸钠、海藻酸钠、丙酸钙等,其中山梨酸钾属酸性防腐剂,在接近中性(PH6.0-6.5)的食品中仍有较好的防腐作用,常用于食品、饮料、烟草、农药、化妆品等行业,不适用于酸奶,因为酸奶PH值一般在6以下。
常用的甜味剂有甜蜜素、安赛蜜、糖精钠,经常同时食用柠檬酸、柠檬酸钠、乳酸钙、碳酸氢钠等酸度调节剂以调节酸度。
常用的色素有柠檬黄、日落黄、β-胡萝卜素,常用的水分保持极有三聚磷酸钠、六偏磷酸钠、焦磷酸钠、乙硫化淀粉磷酸酯。
常用的抗氧化剂有丁基羟基茴香醚、二丁基羟基甲苯、抗坏血酸和异抗坏血酸钠等,其中前两者是油溶性,后两个是水溶性的抗氧化剂。
食品規制の国際的合意形成過程に関する分析コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会(CTFBT)を事例に
Setting International Food Standards:
The Codex Ad Hoc Intergovernmental Task Force on Foods Derived from Biotechnology
松尾真紀子
Makiko Matsuo
Ⅰ.研究の背景
遺伝子組換え(以下GM)作物は、96年に世界で初めて商品化されて以来、毎年栽培面積を拡大している。
その一方で、国家によってGM技術に対する社会的受容や科学的不確実性の解釈は異なる。
こうしたことに起因する規制の相違が非関税貿易障壁となって、03年のアメリカ・カナダなどによるWTOでのEU提訴に見られるような大きな国際問題を引き起こしている。
GM作物は生産・加工の各段階において常に混入の可能性があり、また検知方法も完全には確立されていないため、貿易が浸透し、相互依存の進展した今日、GM食品の規制は一国で対処することは困難である。
以上の事情から、国際社会においては規制の国際的調和にむけてさまざまな努力が行われている。
しかし、99年のシアトルでのWTO閣僚会議での決裂に象徴されるように、この問題において合意を形成することは容易ではなかった。
Ⅱ.研究対象・CTFBT
興味深い点は、上記のような動きとは対照に、国際的食品安全基準を策定しているコーデックス(食品規格)委員会(Codex Alimentarius Commission以下、コーデックス)において、アジア初の議長国として日本が開催した「コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会(Codex Ad Hoc Intergovernmental Task Force on Foods Derived from Modern Biotechnology 以下、CTFBT)」でわずか4年(2000-2003年)の間に「モダン・バイオテクノロジー応用食品のリスク分析のための原則案」を含む3つの合意が形成された点である。
コーデックスの基準は法的拘束力を持たない国際的基準である。
しかし、食品貿易に関する紛争処理において強制管轄権を持つWTO判決の根拠の一部として参照されることがSPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)によって規定されているため、任意の基準以上の重要性を持つとされる。
このような認識に立てば、前述の国際環境において、コーデックスでの合意形成は困難なものであったにもかかわらず、合意が実現できたということは画期的なこと言える。
CTFBTにおいては、「なぜ、いかにして合意形成が可能であったのか」という疑問が本研究に取り組んだ大きな動機であった。
Ⅲ.問いと議論の展開
1.問い・調査方法
本研究の問いは、
「食品規制の国際的合意形成を決定・促進する要因は何であるか。
それはいかに作用したのか」である。
調査方法としては、国際的合意形成過程に関する既存研究及びCTFBTに関する1次資料・2次資料の文献調査と、国内外CTFBT関係者(議長、政府関係者、業界・科学者・消費者NGO関係者や、EU・アメリカなどの関係者)への面談及びメールによるインタビューである。
2.分析のスコープと本研究のアプローチ
国際的合意形成過程のアプローチとしては、
様々なものが考えられるが、合意形成の諸段階(①イシューに関する認識の形成、②問題の顕在化、③議論の場の選定、④課題設定、⑤討議、⑥合意の実現)の中でどの段階を研究対象とするかにより、有用なアプローチは異なる。
そこで、本研究では合意形成の諸段階の中でも「会議」(④から⑥までの段階)に分析のスコープを限定した。
そして、この段階では「議長国のリーダーシップ」と、「交渉の場」の構造的要因が重要であったという作業仮説を検証した。
Ⅳ.結論
1.議長国の仲裁的リーダーシップ
「議長国の仲裁的リーダーシップ」においては次の点が重要な構成要素であった。
(1)会議運営能力:課題設定と会議進行
第1に、課題設定においては、各争点を合意文書全体の中でどのように位置づけるかが重要であった。
議長国はサーキュラーレターにより、事前に各アクターのポジションを把握・分析した上で、会議の準備や起草を行う。
これにより議長国は、落としどころを的確に判断し、科学的議論と、政治的争点とのバランスをうまく調節することが可能であった。
第2に、議長の会議進行能力も会議における合意形成の促進要素としては非常に大きな要素であった。
これは、発言者の時間を限定する2分ルールなどによる「時間的なコントロール」と、既存の合意を引用することで議論の重複や脱線を防ぐ「議題のコントロール」により発揮された。
会議全体の規格を策定しようという認識の形成においても議長の果たした役割は大きかった。
(2)国家の争点におけるポジション・能力
第1に、日本のように輸出国「でない」という立場にあり、かつ、焦点となった争点で中間的な立場にあることが、重要な要素であった。
また、第2に、コーデックスの部会に要する資金は議長国によって賄われるので、資金力も合意形成の促進要素といえる。
2.「交渉の場」の構造的要因
議長国の「仲裁的リーダーシップ」は、以下に述べる「交渉の場」の持つ構造的要因により、効果的に発揮された。
(1)組織の運営に関する明文化された手続き
第1に、コンセンサス重視の制度に、特別部会の4年という時限性が加わり、双方のメリットが活かされた迅速な合意形成が促された。
第2に、NGOに発言権のあるオブザーバー・ステータスを与えるコーデックス特有の制度により、NGO の行動に変化がもたらされ(批判活動でなく意見の反映を目的にする)、結果として会議における国家とNGOの協調的関係が生まれた。
(2)歴史的に制度化された組織の体質
第1に、科学的根拠に基づく規格策定を行うという組織体質が、極端に政治的議論に偏ることを防ぎ、FAO/WHO合同専門家会議の提出する科学的知見に基づいた科学的議論を可能とした。
また、第2に、会議参加者の間で長年培われてきた、規格策定のためには政治的妥協を許容するという共通認識が、構造的要因として政治的妥結を可能とした。
Ⅴ.考察
以上の結論から、本研究からは次のようなインプリケーションが得られた。
第1に、仲裁的リーダーシップの発揮には、議長国が「交渉の場」に適合した課題設定を行うことが合意の形成を促進する上で重要である。
第2に、今日のように個別分野で特定の問題において規制の策定が進展すると、合意形成を促進する要因は、リンケージや国力やマーケットパワーといった要素ではなく、むしろその国際機関の制度が持つ作用であると思われる。
マーケットパワーが合意形成過程において果たす役割は限定的で、アクターの発言力に必ずしも大きな影響力を及ぼさない。
③国際機関毎に一方的な分業化が進行し、レジーム内やレジーム外との相互作用は進んでおらず、齟齬や乖離も生じている。