日本近代文学史

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近代の文学

一、写実主義

1、坪つぼ内うち逍しょう遥よう(1859-1953)

「小説神髄しょうせつしんずい」(1885)

近代的文学像と写実主義を強調した。

2.二葉亭四迷ふたばていしめい (1864-1909)

「浮雲うきぐも」(1887)

当時の社会に生きる人間の苦悩を描いたが、時代に先んじ過ぎだ。

二、擬古典主義(紅露の時代)

1.尾お崎ざき紅こう葉よう (1867-1903) ---写実主義

硯友けんゆう社を創立(日本最初の文学社)

代表作「金色夜叉こんじゃやしゃ

」(1903) 2.幸田露伴こうだろはん(1867-1947)---理想主義

「五重塔ごじゅうのとう

」(1891~1892) 「運命」

この二人は1887年の「紅露の時代」が築かれた。

三、ロマン主義

1、森鴎外もりおうがい

「舞姫まいひめ」(明治23年--1890)

浪漫三部作:「舞姫」、「うたかたの記」、「文ずがみ」

2、北村透谷きたむらとうこく

1889--「楚囚そしゅうの詩」、1891--「蓬ほう莱らい曲きょく」

1892---「厭えん世せい詩家と女性」、「内部生命論」

3、樋口一葉ひぐちいちよう(1872-1896)

1895---「たけくらべ」最大の傑作である

4、泉鏡花いずみきょうか

(1873-1939)

1900---「高野聖こうやひじり」1910--「歌行燈うたあんどん」

四、自然主義(人間と現実社会的環境の暗黒を分析する)

1.島崎藤村しまざきとうそん

小説:「破戒はかい」(1906)1908--「春」、「新生」、1910--「家」

詩集:1893--「若菜集」、「夏草」

2.田た山やま花か袋たい

「蒲団ふとん」(1907)

1908--「生」、「妻」、「縁」

3、国くに木き田だ独どっ歩ぼ(1871-1908) 「武む蔵さし野の」、「牛肉と馬ば鈴れい薯しょ

」、「春の鳥」「竹の木戸」

4、徳とく田だ秋しゅう声せい

五、耽美派たんびは

1.永なが井い荷か風ふう(1879-1959)(別号は断腸亭主人と石南居士である) 「野心」、「地獄の花」「夢の女」

2.谷や崎ざき潤じゅん一いち郎ろう(1886-1965)

「痴人の愛」「春しゅん琴きん抄しょう」「細ささめ雪ゆき」「誕生」「刺し青せい」「三人法師」 世人に「文豪」と「大谷崎」と称された。

六、白しら樺かば派は(理想主義を掲げた)

1.武む者しゃ小のこう路じ実さね篤あつ(1885-1976)

「幸福者」「友情」

2.志し賀が直なお哉や

(1883-1971)

「暗夜行路」「和解」「城崎にて」

(不和---葛藤---和解---調和というのが彼の小説の発展のコースである。)

3.有あり島しま武たけ郎お(1878-1923)

「かんかん虫」「カインの末裔まつえい」「或る女」

七、新思潮派

1.芥川龍之介あくたがわりゅうのすけ(1892-1927)

「戯げ作さく三ざん昧まい」「鼻」「羅ら生しょう門もん」「地獄変」「秋」「河童かっぱ」

2.菊池寛きくちかん(1888-1948)

「無名作家の日記」「恩おん讐しゅうの彼か方なたに」

他の主な体表的な作家:広津和郎ひろつかずろう 横光利一よこみつりいち 川端康成かわばたやすなり

3.久く米め正まさ雄お(1891-1952)

(俳号は三汀「微び苦く笑しょう」という語の発明者として有名である。) 「牛乳屋の兄弟」(1914) 「破は船せん」(1922)

八、夏目漱石と森もり鴎おう外がい

1.夏目漱石(1867-1916) (本名は金之助である。)

「吾輩は猫である」(1905) 「坊ちゃん」、「草くさ枕まくら」(1906)

2.森鴎外(1862-1922)

「舞姫」「青年」「雁」「妄想」「灰かい燼じん」

三部作:「三四郎」 「それから」 「門」

九、新感覚派

1.川端康成(1899-1972)

「伊豆の踊り子」「雪国」「千せん羽ば鶴づる

」「山の音」「眠れる美女」「古都」

2.横よこ光みつ利り一いち(1898-1947)

「御おん身み」「蠅」「日輪にちりん」

3.片かた岡おか鉄てっ平ぺい(1894-1944)

「丘の上の少女」、「苦い話」「若き読者ニ問う」